初版: 2026-07
更新: 2026-07
「新しい利用者さんがなかなか増えない」「ケアマネさんに顔は出しているのに、紹介が思うように来ない」——訪問リハビリの院長・管理者の方から、こうした声をよく伺います。本業である利用者さんへの支援で手一杯のなか、集患まで手が回らない。そのお気持ち、よく分かります。この記事では、訪問リハビリの利用者を増やすために、院長・管理者としてどこから手をつけるべきかを、元理学療法士の現場視点で整理します。
なぜ訪問リハビリの利用者は増えないのか?
利用者が増えない事業所には、共通する詰まり方があります。整理すると、多くは次の3つのどれか、あるいは組み合わせに行き着きます。
- 紹介依存のまま動線が細い:訪問リハの入り口はケアマネ・主治医からの紹介がほとんどです。ところが「知り合いのケアマネから来た分だけ」という受け身の状態になっていると、紹介元が増えず頭打ちになります。
- 専門性が言語化されていない:「リハビリをやっています」という説明だけでは、紹介する側も「どの利用者さんを任せていいか」が判断できません。伝え方が抽象的なほど、選ばれにくくなります。
- 稼働率の視点が抜けている:新規の獲得ばかりを追い、既存利用者の継続や訪問枠の埋まり方を見ていないと、入っても抜けていく状態が続きます。
院長・管理者の立場では、この3つのどこが自事業所のボトルネックかを先に切り分けることが出発点になります。「では、どこから手をつける?」——次は利用者を増やす起点を見ていきます。
利用者を増やす起点は「ケアマネ・主治医への紹介動線」
訪問リハの利用者を増やす起点は、ほぼ例外なく「誰から紹介が来るか」の設計です。営業先は主に、居宅介護支援事業所のケアマネジャー、地域包括支援センター、そして訪問診療や外来の主治医です。ここへの動線が細いまま、チラシや広告に先に予算を使ってしまう事業所が少なくありません。
大事なのは「訪問回数」ではなく「伝える中身」です。弊社は、空き枠のご案内よりも“こういう状態の利用者さんに、生活の場面がこう変わるまで関わった”という利用者像を1ケース具体で渡すほうが、次の紹介につながると考えます。ケアマネが知りたいのは空きの有無以上に、「自分の担当する利用者を安心して任せられるか」だからです。
紹介が来ないまま、あてのない新規開拓に時間を割き続けても、訪問枠は埋まらない——これは避けたい事態です。まずは既に付き合いのある紹介元を「増やす」より「深める」ところから設計するのが現実的です。「では、深めるために何を伝える?」——次は専門性の言語化を見ていきます。
「リハビリやってます」では選ばれない——専門性を言語化する
紹介する側にとって「リハビリ対応可」という情報は、ほとんどの事業所に当てはまる差のない情報です。選ばれる事業所は、ここを一段具体にしています。ポイントは、自院の施術効果を語ることではなく、「どんな状態の利用者を、どう支援できるか」という利用者像を言葉にすることです。
たとえば「退院直後で在宅生活の再構築が必要な方」「屋内移動に不安があり、生活動作の場面ごとに関わってほしい方」のように、対象となる利用者像を具体的に描くと、ケアマネは「この利用者さんならここ」と紐づけやすくなります。ここで言う「どう支援できるか」は、あくまで利用者像を伝えるための言語化であり、「必ず良くなる」といった効果の保証とは別物です。院長・管理者として、この線引きは守る必要があります。
「そんなの分かっているけど、言葉にする時間がない」という声が聞こえてきそうです。大丈夫です。全部を一度に整える必要はありません。まずは代表的な利用者像を2〜3パターン書き出すところからで十分です。「専門性が伝わった。では継続は?」——次は稼働率の視点を見ていきます。
新規だけ追わない——稼働率=継続・訪問枠で見る
利用者を増やすというと新規の人数に目が行きがちですが、経営として見るべきは「訪問枠がどれだけ埋まっているか」=稼働率です。新規が月に数件入っても、同じだけ終了していれば枠は埋まりません。
継続が途切れる背景には、目標が共有されないまま漫然と関わっている、家族やケアマネへの状況共有が薄い、といった構造的な要因があることが多いです。これは担当セラピストの努力不足というより、事業所として「何をどう報告するか」の仕組みが無いことが原因です。院長・管理者としては、新規獲得と同じ熱量で、継続と訪問枠の埋まり方を数字で見る習慣をつけることをおすすめします。「では、Webやチラシはどこまで効く?」——次はWeb・SNSの役割を見ていきます。
Web・SNSでできること/できないこと(万能ではない)
ホームページやSNSは、訪問リハの集患において「補助」として効きます。具体的には、ケアマネや家族が紹介を検討する前に事業所を検索したとき、「どんな方針で、どんな利用者に関わっているか」を見て安心してもらう役割です。ここが空白だと、紹介の最後のひと押しが弱くなります。
一方で、はっきりさせておきたいのは、Web集客だけでは紹介動線の詰まりは解けないということです。訪問リハの主な入り口はあくまでケアマネ・主治医からの紹介で、検索から直接申し込みが大量に来る性質のサービスではありません。DP-GUILDは医療現場(理学療法士)出身の視点でこの支援をしていますが、それでも「ホームページを作れば利用者が増える」とは考えていません。Webは万能ではなく、紹介動線・専門性の言語化とセットで初めて効きます。手段の順番を間違えると、費用をかけたのに紹介は増えないままになりかねません。「では、自事業所は何から見直す?」——次は判断項目を見ていきます。
まず何から見直すか(院長・管理者向けの判断項目)
ここまでを踏まえ、院長・管理者としてまず確認したい判断項目を挙げます。順番に見て、どこが自事業所の詰まりかを切り分けてください。
- 紹介元の把握:直近半年の紹介が「どのケアマネ・どの主治医」から来ているか、名前で挙げられますか。挙げられないなら、動線の可視化が先です。
- 伝える中身:ケアマネに渡している資料は「空き情報」で止まっていませんか。利用者像で語れているかを見直します。
- 継続と稼働率:訪問枠の埋まり方と終了理由を数字で追えていますか。新規だけを見ていないか確認します。
- Webの位置づけ:紹介前に検索されたとき、方針と対象利用者像が伝わる状態になっていますか。
どこから手をつけるべきかは、事業所ごとに違います。紹介動線が細い事業所と、動線はあるのに伝え方で止まっている事業所とでは、打つべき手も順番も変わるからです。
「うちはどこが詰まっているのか分からない」「ケアマネ営業とWeb、どちらを先に手をつけるべきか迷っている」という段階でも、ご相談いただいて大丈夫です。DP-GUILDは、まず詰まりの箇所を一緒に整理するところから始められます。こちらからご相談ください。
この情報は2026年07月時点のものです。
DP-GUILDは、医療現場(理学療法士)出身の視点で、整骨院・訪問看護・訪問リハ等の“集患・稼働率”を支援するパートナー。